資金計画

新築戸建て注文住宅の別途工事費になりやすい工事9選!工事内容や相場の費用を解説

こんにちは、ユースケです。

今回は「注文住宅の別途工事費」について解説します。

別途工事とは、建設工事のメインである「本体工事」に含まれていない工事のことです。

別途工事は土地や建物の条件しだいでは、ばくだいなコストがかかることもあります。

そのため、家づくりの総費用をおさえるには「別途工事費とは何か?」について理解しておく必要があります。

そこで、今回は別途工事について次の内容を解説します。

 

注文住宅の別途工事とは?

注文住宅の別途工事とは、建築本体工事に含まれない工事のことです。

別途工事は付帯工事や別途付帯工事ともよばれ、工務店やハウスメーカーによって呼び名が違います

別途工事が本体工事にふくまれないため、「別途工事はしなくてもよいのでは?」と思いがちですが、土地や建物条件しだいでは必須の工事になります。

当ブログは、「施主目線でわかりやすく」をテーマにしているため、以下のように分類して「家づくりのお金について知識」を解説しています。

別途工事とは

  • 工事の一部が建築本体工事に含まれることがある
  • 敷地条件や建築条件によって費用が変わる工事
  • 施主自らが個別対応することができる工事(分離発注ができる)

別途工事は、敷地や建築条件によって発生することがある工事や、施主自らが個別に対応することができる工事です。

たとえばエアコンの取り付けや外構などは、ビルダーへ一括発注を行わず、施主自らが主導となって分離発注が可能です。

つまり住居の計画・施工と切り分けて考えることができるので、「別途工事」と考えられます。

付帯工事とは

  • 工事の一部が建築本体工事に含まれることがある
  • 敷地条件や建築条件によって費用が変わる工事
  • 基本的には施主自らが個別対応できない工事(分離発注がむずかしい)

付帯工事は、おもに電気・ガス・水道などのライフライン関係の屋外設備に関する工事のことです。

ライフライン関係の設備工事は、住宅の壁や天井に埋め込まれるため、本体工事とあわせて計画する必要があるため、ビルダーが主導で計画する工事になります。

つまり住居の計画・施工に付帯する工事なので、「付帯工事」だと言えます。

以上の分類をご理解いただいた上で、こちらの記事を読み進めてください。

別途付帯工事について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。

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参考新築戸建て注文住宅の別途付帯工事費とは?予算オーバーになる3つの原因と対策

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注文住宅の別途工事とは?工事費の内訳や相場を解説

注文住宅の別途工事には、いくつかの工事が含まれています。

一般的に別途工事費に含まれやすい工事は、次の9つの工事です。

一覧表の中に気になる工事費ある方は、クリックして読み進めてください。

別途工事の一覧表
工事名 工事費の相場 工事内容
解体工事 80万円~150万円前後
※木造2階建ての場合
※工事内容による
建替えの場合、既存建物を解体する工事
造成工事 数百万円程度
※敷地条件による
宅地以外の土地を宅地にする工事
地盤改良工事 25万円~140万円前後
※敷地条件による
地盤が軟弱な場合に、強固な地盤に改良する工事
引込み工事 70万円~150万円前後
※敷地条件による
公共インフラを敷地内に引き込むための工事
水道・ガス・電気など
外構工事 100万円~300万円前後
※工事内容による
建物以外の外部となる部分の工事。
門や塀、アプローチなど
照明器具工事 20万円~50万円前後
※工事内容による
照明器具に関わる工事
一部の照明器具は本体工事や付帯工事に含まれる
カーテン工事 20万円~60万円前後
※工事内容による
窓周辺に関わる工事
カーテンやブラインドなど
空調設備工事 30万円~60万円前後
※工事内容による
空調に関わる工事
エアコンなど
その他の工事 ※工事内容による テレビ工事や側溝整備工事など

新築戸建て注文住宅の別途工事!工事の内訳や費用

注文住宅の別途工事は、土地条件や地域によって異なることはお話しました。

では具体的に、どのような工事が別途工事に含まれやすいのでしょうか?

典型的な例をあげると、以下の9個項目は本体工事ではなく、別途工事になることが多いです。

  • 解体工事費
  • 造成工事
  • 地盤改良工事費
  • 引込み工事
  • 外構工事費
  • 照明器具工事費
  • カーテン工事費
  • 空調設備工事費
  • その他の工事費(テレビ工事や側溝整備工事など)

では上から順に、1つずつ解説します。

別途工事費①解体工事費

解体工事とは、すでに建てられている住宅などの構造物を建て壊す工事のことです。

建て壊すものは、住居以外にも敷地内になるブロッグ塀なども含まれます。

解体工事にかかる費用は、建築物の構造(どのような素材で建てられているか)によって異なります

具体的には、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順で費用が高くなります。

各構造別の解体工事費の相場、次のようなものです。

解体工事の費用相場
木造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造
1坪あたりの工事単価 4万円~5万円 6万円~7万円 6万円~8万円
20坪 80万円~100万円 120万円~140万円 120万円~160万円
30坪 120万円~150万円 180万円~210万円 180万円~240万円

また解体工事を行うには、「建設業許可」もしくは「解体工事事業登録」のどちらかが必要になります。

無資格者は、解体工事を行うことができないので、違法な無資格業者に注意してください。

また解体工事では、解体後に廃棄物が出ます。この廃棄物を処理するには、「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になります。

解体業者が産業廃棄物収集運搬業許可を取得していない場合には、許可を持っている他の業者に下請けさせることになります。

解体工事費を安くおさえるためには、最初から産業廃棄物収集運搬業許可を持っている解体業者に依頼することをおすすめします。

別途工事費②造成工事費

造成工事とは、土地を宅地(建物を建てるのに適した土地)にするための工事のことです。

傾いている土地や変形している土地に、土地の一部に土を盛る「盛土」や土地の一部を削る「切土」などを行います。

造成工事は、国税局によって造成予定の地域の基本相場が決められています。こちらのリンクをクリックすると、公式ページで金額を確認できます。

造成工事の相場を財産評価基準書路線価図・評価倍率表で確認する!

造成工事は基本的に、傾斜が強い土地・地盤がゆるい土地ほど費用が高くなります。

例えば東京都の基本相場は次のようになります。

土地造成の基本相場
傾斜角° 1平米あたりの工事単価 50坪の土地
3~5° 18,600円 約306万円
5~10° 22,800円 約376万円
10~15° 34,900円 約576万円

上の表からも分かるとおり、傾斜地に注文住宅を建てるための造成工事を行う場合、多額のコストが発生します。

別途工事費が高くなるということは、その分住宅の本体工事がおろそかになるということです。

もし造成工事について理解がないままに、傾斜地を購入したとしたら、理想の家は建てられるのでしょうか?

土地が家の土台であるように、「土地選びは家づくりの基本」です。

どうか家づくりの基本的な知識を身につけないまま、土地を購入することだけは避けてください

別途工事費③地盤改良工事費

地盤改良工事とは、建物が沈んだりゆがんだりしない「強固な地盤」に改良する工事のことです。

地盤のゆるさは、見た目では判断できません。

そこでボーリング調査と呼ばれる土地に穴をあける工事を行い、地層を調べることで必要であれば地盤を強固にする工事を行います。

住宅建築業界では、2007年に住宅品確法が制定されたことにより、新築住宅の場合に10年間の住宅瑕疵担保責任があることになりました。

住宅瑕疵担保責任とは、新築住宅の売主(工務店やハウスメーカーなど)が、住宅の主要部(基礎、土台、屋根、柱、壁など)の瑕疵(欠陥)を担保する責任があるということものです。

もう少しかんたんに解説すると、新築住宅で10年間は欠陥保証してね!ということですね。

この住宅瑕疵担保責任が問われるため、工務店やハウスメーカーでは地盤がゆるい土地では地盤改良するように勧めます

地盤改良工事費の相場は、次のようなものです。

地盤改良工事費の相場一覧
土地改良方法 30坪の工事費用
地盤調査 5万円~10万円前後
表層改良工法 20万円~40万円程度
柱状改良工法 40万円~70万円程度
鋼管杭工法 90万円~130万円程度

地盤改良工事も、造成工事と同様に多額のコストを払って、土地を整えることなります。

あなたは今まで不動産をどのように探していましたか?

部屋の広さ・間取り・駅からのアクセスなどイメージしやすいものだけで判断することが多かったかもしれません。

しかし、家づくりでは土地の広さや立地条件だけでは判断できないということが理解いだだけたのではないでしょうか?

別途工事費④引込み工事

新築戸建ての注文住宅では、「電気」「水道」「ガス」などのライフラインはかかせません。

しかし、今まで住宅が建っていなかった場所で、いきなりライフラインが使えることはありません

そこで必要になるのが、「引込み工事」です。

引込み工事とは、「敷地外」にあるライフラインを「敷地内」まで引き込んでくる工事のことです。

電気は電柱から、水道は水道本管から、下水道は下水道管へ、ガスはガス管から、それぞれのライフラインからの引込みまたは接続工事が必要になります。

引込み工事費は、別途工事費に含まれることが多く、敷地条件によって費用が異なります

工事がおおがかりなものになるほど、莫大なコストが発生してしまうため、土地選びを慎重に行うことが大切です。

以下にライフラインの引込み工事費の相場を一覧にまとめました。

引込み工事の相場一覧
土地改良方法 工事費用の相場
電気の引込み工事 10万円~20万円程度
※敷地条件による
上水道の引込み工事 20万円~60万円程度
※敷地条件による
下水道への接続 30万円~50万円程度
※敷地条件による
ガスの引込み工事 10万円~20万円
※敷地条件による

別途工事費⑤外構工事費

外構工事とは、門や塀、アプローチなどを設置する工事で、エクステリア(家の外)工事の一部です。

新築戸建ての外構工事は、建設費の10%程度を外構に使うとバランスの良い外構ができると言われています。

たとえば、150万円の外構工事を行った場合に、設置できる外構は次のようなものです。

  • カーポート
  • 駐車スペース
  • 門扉
  • 門柱
  • 玄関アプローチ
  • フェンス

ただし、使用する素材によって費用が違うため、外構工事は想定するよりも高くつくと理解しておく必要があります

別途工事費のなかでも、外構工事はすこし特殊な費用です。

それは他の別途工事と異なり、新築工事と同時に行わなくてもよい工事だからです。

必要最低限の外構工事だけ新築工事と合わせておこない、資金にゆとりができてから本格的に外構を工事することができます

そうすることで、家づくりがよりいっそう自分らしいものになるという楽しみ方もあります。

別途工事費⑥照明器具工事費

照明器具工事とは、本体工事に含まれていない各部屋の照明器具を取り付けるための工事です。

照明器具工事費の相場は、20万円~50万円前後です。

まず照明器具を取り付けるには、電源器具(床や壁に埋め込まれる器具)とスイッチが必要になります。

これらの設備は、本体工事費に含まれることが一般的です。

一方、照明器具(シーリングライトやスポットライトの本体)は本体工事費には含まれません

また照明器具は電気を必要とするため、基本的に電気工事士の資格がなければ設置できません

照明器具がなければ家のなかは暗いままなので、「必ず発生する別途工事費」と理解してきましょう。

ただし一部照明器具は、無資格者でも設置できるものがあります。

別途工事費を安くしたい方は、施主自らが照明器具工事をできるように照明計画をすることをおすすめします。

別途工事費⑦カーテン工事費

照明器具と合わせて、インテリア内装関係の別途工事費に「カーテン工事費」があります。

カーテン工事費とは、以下のような器具または器具の取り付けにかかる費用のことです。

  • オーダーメイドカーテン
  • オーダーメイドレースカーテン
  • カーテンレール
  • カーテンフック
  • 設置・取り付け費用

カーテン工事を工務店やハウスメーカーに依頼した場合の費用相場は、20万円~60万円前後です。

別途工事費を少しでも下げるには、施主自らがカーテンを設置するか、あるいはカーテン専門店に分離発注することをおすすめします。

別途工事費⑧空調設備工事費

別途工事のなかでも費用を見落としがちなのが、「空調設備工事費」です。

戸建て住宅の空調設備工事は、おもにエアコンの設置するための費用です。

一台あたりのエアコン工事費とエアコン本体の相場を以下にまとめます。

エアコン工事費とエアコン本体価格の相場
部屋の大きさ 本体価格の相場 工事費の相場
6畳 3~6万 1万円~3万円前後
8畳 5~7万
10畳 5~10万
12畳 6~12万

エアコンも照明器具と同様に電源を必要とする設備のため、電気工事が必要になります

そのため、電気工事士の資格を持っている専門業者に依頼して、設置することになります。

エアコンの設置費用を安くおさえるためには、分離発注することをおすすめしますが、設置ミスなどが発生した場合の責任の所在が難しくなるので注意してください。

またエアコンの設置場所によって、近隣住民とのトラブルになることもあるので、新築戸建ての家づくりではエアコンの設置場所を事前に計画することをおすすめします。

別途工事費⑨その他の工事費

注文住宅の場合、ここまで紹介した別途工事費のほかにも、いくつか注意すべき工事費があります。

たとえば次のような工事が該当します。

  • TVアンテナ工事費
  • 側溝整備工事費
  • 小運搬費用

小運搬費用とは、廃材や建築資材などをトラックで運搬できないために、人力で小分けにして運搬するための費用です。

特に、前面道路と高低差がある敷地や前面道路が狭い敷地の場合に、小運搬費用が高くなります。

ただし、運搬費は経費のため、新築完成後にはどこにその費用がかかったのか見分けることができません。

そのため、悪質業者が法外的な高額請求を行うことがあるので、見積もり時の金額に注意が必要です。

まとめ

今回は注文住宅の別途工事費について解説しました。

別途工事費は住居を建てにくい土地や周辺環境では、費用が多額になってしまうので注意が必要です。

そのため家づくりをはじめるとき、土地選びから入るのはおすすめできません

まずは基本となる家づくりの知識を身につけて、「どのような土地や建物なら、理想の暮らしができるのか」を理解しましょう。

では今日はこの辺で!

 

 

 

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